前田元社長が考える今後の建設業界の動向

最終更新日 2024年11月22日 by akasak

日本国内は多くの方が知っているように、太平洋戦争後には見事に国は発展を遂げました。
その背景には建設業界があり、復興に向けての仕事の量が絶えることはなく、道路整備やインフラ整備、住居や建造物の建設など、などあらゆる仕事が舞い込んで来るという時代がありました。

 

前田裕幸氏による建設業界の振り返り

戦後の昭和時代から平成初期に掛かるまで、バブル期と呼ばれている時代があり、特にこの時期をピークとして仕事は増加しており、かなりの利益率を確保してきたことも事実ではないでしょうか。
バブル崩壊と共に建設ラッシュは終焉を迎えることになり、その後は平成の終わりに掛けても過去のような発展は望めない傾向にあります。

この感覚はバブル時代を知っている方であれば、誰しも感じ取っている事情になりますが、実際にはバブル崩壊後にも仕事の受注はそれなりにあることも事実です。

建設業界は国と民間からの両方からの仕事受注が多い業界でもあり、特に国からの発注に関しては高額な資金が投入される仕事が多く、一般的に言われる大手ゼネコン会社が受注をしています。
大手ゼネコンは国内には何社も存在していますが、年間の売上高が1兆円を超える規模のスーパーゼネコンに該当する企業は国内では5社程度です。

 

ゼネコンによって恩恵を受ける企業も多い

ゼネコンによって恩恵を受ける企業も多く、下請け企業として独立している建設会社が該当します。
下請けのみならず孫請けまで存在する業界なので、中間マージンが発生しやすい業界独自の仕組みと考えることができます。
社会通念上の普通の取引においては、メーカーから問屋へと商品が流れ、問屋から小売店に商品が販売された上で末端の消費者が購入するというシンプルな流れです。

一方で建設業界では、大きなプロジェクトの場合は大手ゼネコンが名乗りをあげ、入札後に落札できた場合に自社だけでは不可能な仕事量でも下請け会社、更に孫請け会社の複数社が入ることにより、初めて仕事が成り立つという独特の仕事内容です。

下請けや孫請けの場合は、当然ながら利益は薄くなってしまいますが、仕事を確保するためには大手ゼネコンの存在は欠かせないものとなることも事実ではないでしょうか。

 

バブル崩壊後の建設業界について

さて、バブル崩壊後には長期間にわたって国内では就職難と言われてきた時代がありましたが、この最中でも建設業界の仕事は極端に減ってはいません。
最高の利益と売り上げを確保していた時代と比較すると半分に落ち込んでいる企業は増えたものの、この業界は単に家やアパート、マンションを建てることだけではなく、常に公共の仕事が舞い込んで来ることにより、一定の売上げは確保しています。

データによると売上高の高い業界別で調査を行ってみると、建設業は常に上位に位置していることが仕事量を物語っていると考えることができるのではないでしょうか。
不況が続き、後にリーマンショックが起きた際にも度重なる問題は散見することができ、実際に倒産に追い込まれてしまった企業は決して少なくはありません。

過去のように建設ラッシュの時代が再到来する可能性は低いとも考えられることにより、今後についての予測は明るいものではありません。
しかし、この時代背景と流れを把握した場合、まずは減ってはいるものの公共の工事は必ず行われます。

 

自然災害後の復旧工事でも十分な仕事の受注はある

人が生活している以上、インフラ整備は欠かせないことになり、近年国内で目立つようになった自然災害後の復旧工事でも十分な仕事の受注はあると考えられます。
災害は決して喜べるものではなく被害に遭われた方には十分な配慮が必要ですが、家の建設が増えたり道路の復旧工事が増えたり、河川の工事やダム工事が増えることについては、この業界ではビジネスチャンスとなることは皮肉ではありますが、仕方のないことと考えられます。

今後の建設業界の展望を予測すると、国内総生産のGDPは何も災害や病気などが蔓延することが無ければ少しずつ成長を続けています。
そのため、これ以上落ち込むことは想定することは難しいのではと考えることもできるのではないでしょうか。

ただし、問題点はあり古い時代から3Kの仕事として例に出されることが多く、この3Kとはきつい、汚い、給料が安いという頭の文字をアルファベットにして揃えたものになりますが、時代の流れによって3K問題は是正されている状況なことは確かです。

問題点というのは就業を希望する人材が減っていることをあげられます。
既に仕事をしている方は高齢化が進んでおり、将来は働き手が大幅に減少するとも言われていることが問題です。

 

前田裕幸元社長によるまとめ

女性社員を上手く取り込んだり、働きやすさをアピールしたり、物作りに対しての興味を抱かせる宣伝も行われています。
確かに現在ではDIYという言葉が一般的に認知されるようになり、同時に以前は職人の方が利用してきたワークショップも、一般の方の利用も増加中です。

このことから業界に対するイメージは古い時代とは一変しているとも考えることができ、将来を担う若者や、海外からの就業者により、今後も進化した技術力で建設をし続けることは間違いありません。

 

信和ホールディングス 前田裕幸より