最終更新日 2024年11月22日 by akasak
うまく事業売却をするには一定の手順を踏むことが重要です。
事業を成功させるのと同様に、決断を伴う手順を重ねることで後悔しない結果を得られるのです。
ここでは具体的なプロセスについて提示していきます。
事業の価値を見極める
第一の手順は事業の価値を見極めることです。
事業の価値には収益や費用、負債などが関わってくるため、複雑になります。
また買い手から見たら売り手の動機も価値を伴うものです。
価値を決定するには、いくつかの方法があります。
まず資産と負債の差額を計算する資産法です。
次に競合他社や他の売上を評価して大まかな数字を決める市場法があります。
そして損益計算書や成長要因、コスト構造など複数の要素を評価する所得法です。
私欲を排除した総合的な評価が今後の成否に影響します。
客観的な評価が難しければ、法律や財務の専門家に依頼するのも有効な選択肢です。
スムーズな手続きを望むのであれば財務や法律、税務などの専門家を雇うことが重要です。
整理されないままの細かい情報がたくさん出てくるので、適切な処理が不可欠です。
専門家はあなたがビジネスから最大限の価値を引き出すために、最善の決断を下す手助けをしてくれます。
最大のメリットは第三者の専門家が中立的な立場であることです。
中立的立場の人は、あなたが持っているようなビジネスへの思い入れがないため、合理的な意思決定をサポートしてくれます。
売却先のリストアップにも専門家の力を借りるといいでしょう。
頼るべきはプロのビジネス・ブローカー
頼るべきはプロのビジネス・ブローカーです。
ビジネス・ブローカーは、事業を市場で認知させ、最適な相手を見つけるチャンスを増やしてくれます。
確かなネットワークにより、自力では見つけられなかった買い手にアクセスすることができます。
ブローカーは現実的な希望価格の設定、潜在的な買い手へのマーケティング、あなたに代わって潜在的な買い手へのコンタクトをサポートしてくれます。
事業がうまくいっている場合、非常に高い希望価格を設定したくなるかもしれません。
しかし実際には、買い手はさまざまな要素を考慮して購入を検討します。
この不確かな要素がどのように関わってくるのか、相手の立場に立って事業がどのように見るかを考えてみる必要があります。
必ず考慮すべき項目は顧客との関係や利益、市場シェア、新しいオーナーへの移行を成功させるために必要な時間です。
他にも返済すべき負債の有無、価値のある有形資産の有無など現実的な問題も考慮に入れます。
それに応じて専門家のアドバイスを受けながら希望価格を設定しましょう。
事務手続きの準備を行う
ここまでの手順がうまくいったら、事務手続きの準備をします。
購入検討者が必ず見たくなる記録を用意します。
具体的にはまず少なくとも過去3年間の納税記録と実際の財務状況と予測される財務状況です。
続いて強力な顧客基盤を示す既存の契約書とキャッシュフロー報告書です。
次にビジネス・ブローカーなどを通じて事業売却を行います。
そこで注意すべきは書面でオファーを受け取ることです。
口は災いのもとという諺があるように、オファーが来たとき正確で適切な比較をするためには、書面を用意することが不可欠です。
考慮すべき点は価格だけではありませんので、それぞれのオファーの詳細を記録しておくと、最終的にどのオファーが自分にとってベストなのかを判断するのに役立ちます。
専門家と話し合うときにも重要な資料となりますからきちんと整理しておかなければなりません。
最終的な売却が決定する直前まで問題解決を続ける
最終的な売却が決定する直前まで、問題解決を続けることも重要です。
すべての支払いを行うこと、つまり遅延損害金や債務不履行などの約束を守ることが不可欠です。
例えばチームメンバーに会社の株式を約束していた場合、たとえあなたが売却するにしても、その約束を履行する必要があります。
入金についても同様であり、未払いの請求書をどのように処理するかを決めなければなりません。
未処理事項があると取引完了時に問題が発生するおそれがあるので、小さなものでもしっかりと処理しておきましょう。
最終決定前までは情報統制しなければなりません。
売却によって顧客や取引先がパニックに陥る可能性がある事業の場合は、買い手が決まり売却の詳細が確定するまで、売却が迫っていることを伏せておくのが最善です。
顧客を新しいオーナーにどのように移行させるかということも含まれます。
ビジネスの内容によっては、お客様にお知らせしたあとプレスリリースで正式に発表することもできます。
まとめ
ここまで手順について説明してきましたが、すべてのプロセスにかかる時間を逆算して準備することが大切です。
売却の準備スタートからサインまで、少なくとも数ヶ月かかると考えてください。
平均的な期間は6カ月から10カ月です。
時間に余裕がないのを見透かされると、多大なエネルギーを費やしてきた事業を買い叩かれる結果になります。
余裕があるふりをするのではなく、現実的な余裕を生むために早めに決断するのが賢明です。
参考リンク
光本勇介さんの現在